初めての東京宝塚劇場〜1〜
6月某日。朝4時頃起床、ギリギリの準備を終え、高速バスで東京に向かった。
入り待ちの時間帯を想定したスケジュールを立て、極力早い時間には東京駅に着くはずだった。
しかし地元から東京へ向かう際の高速は、平日休日問わず、東京を目前にして絶対渋滞する。
案の定今回も混雑。仕方なく途中下車し、メトロに乗り換えて日比谷に向かった。既に数十分のロスタイム。
そうしてやっとの思いで日比谷駅着。A13出口の階段を昇る。
地上に出ると、目の前にかの有名なインペリアルホテル。格式…!
少しきょろきょろすると、東京宝塚劇場、通称東宝の場所はすぐわかった。
入り待ちらしきファンクラブ及びギャラリーの皆様がいる。
ドキドキしながら、ギャラリー後方に混じってみた。
ふと斜め先を見ると、見つけた。こっちゃんの会の皆様。
えっ、これはもしやいらっしゃるのかしら。今からいらっしゃるのかしら。
初めてだし一人だし、の不安も相まっていい年した大人が都会のど真ん中でドキドキしていた。
しかし10分も経たずして、楽屋口方向からどなたかの会の皆さんが移動したのに続いてこっちゃんの会も移動していった。
あ、そうか…終わってたのか……一抹の寂しさ。でもいい。初めての東宝で、あっもうご贔屓さんは入られたんだなっていう余韻を味わえただけで。
暫くそこに佇んでいたら、お名前を存じ上げず大変申し訳ありませんが、やはりどなたか男役の組子さんがいらして、会の皆様に簡単にご挨拶をして去って行った。
…ていうかすごい。噂には聞いていたけど、ジェンヌさんってやや遠目に見てもそうとわかる。
ホテル側からも劇場側からも突然現れるんだけど、服装とか姿勢とか歩き方とか、彼女達を纏う何かがもうタカラジェンヌです、と語っている。
それを体感できて、いい歳の私は日曜の朝からとても感激していた。
最高だ。なんて幸せな休日。
そうこうしていたらほぼ全ての組子さんの入りは終わったようだった。
曇り予報、降水確率20%程度だった都心はやや大粒の雨が降り出した。
目の前のMUJ◯カフェが気になった。結構空いてるから入ろうかなと建物に入ると、宿泊者の朝食会場となっていて入れなかった。
なんだいなんだい。
結局一番近い某コーヒーチェーンを探して、小雨の都心を歩く。